適当に「鯛!」

そういえば、数日前に下見へ行ってきました。
なんか木曽義仲が旗揚げしたところらしく、いんちきくさい記念館みたいのが乱立していました。
あんな山の中で旗揚げしても、5年くらい誰も気づかなかったんではないでしょうか。
どうも天下を狙っているらしいことをシカがうすうす気づくまでにも2年はかかりそうな、人里はなれた、国道沿いの野猿を見かけてしまったようなところです。

ああいう田舎へ行くのは、本当に本当に久しぶりなので、やっぱり気分はもうルイス・フロイスでした。
土産物屋さんの生気の無い眼をしたお姉さんに、一刻も早く神の愛と文明の光を伝道しなければという、宣教師としての焦燥感に突き動かされて、綺麗なお姉さんと話していたのですが、観光地のお土産屋さんて、綺麗なお姉さんが多い気がするのは、妄想でしょうか。

なんか田舎じゃひょっとしてお土産屋さんのバイトって「おしゃれなバイト」みたいに考えられてるのではないだろうかと、田舎の若者が聞いたら絶対怒り出しそうなことを考えていました。

時間がなかったので、八時間運転して、そのまま登山を始めたのですが、人はほとんどいないし、景色も大変良い山でした。
山とか自然が嫌いなので、これまで極力避けてきたのですが、御嶽山はとても大きくて、麓からいきなり頂上にいる人が見えてしまうくらい、クリアな展望の得られる山で、なんとなく楽しかったです。
でも、いきなり頂上がみえてしまうと、登っている間に気が滅入ってくるらしいですね。
べつに見えて無くても気は滅入りますが・・・

また御嶽は、山そのものだけでなく、裾野の方にも数多くの宗教施設が点在しています。
特に修行場としての滝や、教会施設や、なにより御嶽教をもっとも良く特徴付ける「霊神碑」というものが建っています。

滝はなんだかNHKで夜中にやってる中国あたりの陶淵明が詩に読みそうな田舎の風景をひたすら写してる番組みたいな光景を100分の1にしたような景観でした。
で、霊神碑のほうですが、これは初めて見る人は、まず間違いなくトラウマになると思います。
アホみたいに沢山建っているのです。
見渡す限り霊神碑みたいな景色がひたすら続くところもありました。

知らない人がみたら、多分お墓に見えると思います。
冬に遊びに来た人は、御岳スキー場というのは、なんて死人の多いスキー場なのか、と感銘をうけること間違いなしです。

帰りは帰りで首都高が渋滞して8時間くらいかかりました。
で、到着後案の定、寿司でも食べに行こうみたいな話になり、適当に「鯛!」とか注文したら、いきなり「それではただいまから鯛をさばきま〜す」とか言って目の前で生簀からだして、しめて、罪悪感いっぱいで頂きました。

それで、その後、再びがらがらの首都高を一人で東京へ戻ったのですが、今年の夏も暑かったな、楽しかったな、とすでに夏の終わりの寂寥感に捕らわれていたのですが、考えてみたらこれって下見だったんですよね。
明日の勉強会の後の飲み会から、合宿最終日の反省会まで、すでに宴会びっちりですが、山なんか登っている余裕あるのでしょうか。