gloom

なんか東京の西の方が小松左京の小説みたいになっていましたが、ニューオリンズも相変わらずやばそうですね。

阪神大震災の時に、日本政府の対応は遅い、欧米と比べてリスク・マネージメントがどうしたこうしたみたいな御託を並べている人がいましたが、少なくとも世界最強の国でも事情は、もっと酷いようです。

台風が来て街がダムになっても全然救出作業なんかしないし、過労で警察官は自殺するし、スーパーマーケットは略奪しまくりだし、こういう災害があった時ほど、普段は隠されているその国の本質的な部分みたいのがはっきり出てきて面白いですね。
やっぱりアメリカでは、あいかわらず黒人なんかどーでも良い、という風潮がはっきり存在していることが分かります。

笑えるのはショーン・ペンですね。
私はこの人が大嫌いです、とにかく顔も声も出てる映画も全部嫌いです。

昔、ガンズのアクセル・ローズが道を歩いていて、いきなり通りすがりの人に殴りかかりました。
殴られた人はサインを求めたわけでもなんでもありません、完全に無関係な人でした。
みんな、なんで殴ったのか分かりませんでした。
後日アクセルが語った理由は「そいつの顔が、ボンジョビに似てらから」でした。

これくらい理不尽な勢いでショーン・ペンが嫌いです。
華氏911で空爆の映像の直後に、ブリトニーがガム食いながら「ブッシュを支持するわ」と言っている映像が流れたのを見て、なんて可愛いんだろうと思った私ですが、ショーン・ペンの政治活動には本当に腹が立ちます。

で、そのファッキン・ペンは、政治活動に異様に興味を持っているせいか、ニューオリンズが水たまりになったのを良いことに、自分のボートに貧乏人どもをのっけて一躍英雄になろうとしました。

もちろん、たいした人数も載せられない小さなボートには、救出している姿を映させるためのカメラマンまで乗っていました、だってそのためにやるんですからね。

で、浮かべたとたんに、船底に穴が空いていたらしくて、いきなり沈んだようです・・・・・たけし軍団みたいなやつですね、そのうち稲川淳二みたいに、水に落ちる寸前にピン・マイクをしっかりはずすようになるかもしれません。

阪神大震災にしろ、中越にしろ、日本では特に暴動がおきたとか、暴行が多発とかそういうことはあまりなかった気がします。
マスコミの百姓どもが、報道者で緊急車両の道をふさいで通れなくしたり、コンビニの食料を買い占めたりという馬鹿なことをしていましたが、それ以外にはそういう話はあまり聞きません。

いったいこの違いはどこからくるのでしょうか。
民度とか石原慎太郎的なことを言われても良く分かりません。

中国とかはどうなんでしょうか。
北京のマクドナルドにも、もちろん世界共通のマニュアルがあるそうです。
ですが、中にはいると、マニュアル対応するレジの店員の前に、金を握り締めて食べたいものを叫ぶ群衆がいる、というシュルレアリスティックな絵が毎日見られるそうです。

つまり、列に並ぶということだけにしても、実際は、かなりの感情のコントロールがなされているということらしいです。
こういうのを、なんか椎名林檎の歌みたいですが、「感情マネージメント」と言うそうです。

そう思うと、近代的作法としての感情マネージメントを、日本人ほど厳密に行う人々もあまりいない気がします、まあ、都市部に限るのかもしれませんが・・・

欧米のもの真似で近代化した日本が、もの真似なだけに、ある側面では近代人という建前を真にうけちゃって、もっとも過激に実践しているのかもしれません。

日本国内の話で言えば、地方に行くほど高校生の性体験率があがって、都市部にくるほど低いという現象と相似でしょうか。

日本で一番低いのが東京と神奈川(たしか全高校生の3割くらい)で、一番高いのが青森とかあっちのほうでした(たしか7割くらい)。

つまり、良妻賢母みたいな寝言を真に受けたのは都市部の中流階級だけで、残りには、明治以前の土着の世界が依然として残っているということらしいです。


なんとなくショーン・ペンはマクドナルドで並ばない気がします。

9.11の直後に、アリゾナかどっかの田舎白人が、「あっアラブ人だ、殺しちゃえ」とか言って、インド移民のシーク教徒二人を銃殺するというカミュも墓場で天を仰ぎそうな蛮行におよびましたが、こいつらもショーン・ペンの友達みたいなもののような気がしてきます。

バグダッドとかって、インディジョーンズが発見したんでしょ?」とか言ってるアメリカ人がいるらしいですが、たぶんこれってショーン・ペンが言いだした気がします。

とにかくショーン・ペンというのは悪しきアメリカの象徴なのです。
アメリカ人が全員オジー・オズボーンだったら良いのに、という反実仮想で毎日感嘆しています・・・・・ま、オジーはイギリス人ですが。