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というわけで、師匠、NS氏、IM氏、スロヴェニアからの留学生DT氏の５人で、東京の代表的な寺社をめぐると称して、年の瀬のお忙しい方々を尻目に宴会をして参りました。
オフィシャルには、「来年修論を書くDT氏の日本宗教についての基本的な知見の拡充に資するため」という理由が掲げられていました。
たしかに師匠はDT氏に各施設ごとに詳細な説明をされ、NS氏は資料用にビデオを回し、でかいカメラで写真をとっていらっしゃいました。
■とげぬき地蔵
まじでお婆ちゃんだらけでした。
道の両側に並ぶ商店には1980円以上のものはないという恐ろしいまでの庶民性。
ポピュラー・レリジョンだよね、とか言いながら、明らかに皆様の視線は、西太平洋の遠洋航海者を見つめるマリノフスキーのようになっていました。
師匠の説明も、だいたいフレイザーの感染呪術／類感呪術を中心に構成されていました。
私が個人的に気になったのは、「お爺ちゃんはどこにいるのだろう・・・」ということです。
■靖國神社
「最近、師匠は右傾化しつつあるのではないか」という噂を裏付けるような形で、師匠の提案で、急遽いくことに。
三田線で神保町へ行き、そこから半蔵門線で九段下へ。
ついつい、日本武道館を「live house」と説明してしまいました。
年末のせいか英霊たちも忙しいようで、境内にはほとんど誰もおらず、遊就館も閉館していました。
というわけで、みんなでガラス越しにZero Fighterを見つめました。
印象的だったのは、軍用犬、軍用馬のための慰霊碑があって（それぞれ犬と馬の彫刻がある）、馬の前にニンジンが置かれていたことです。
■神田明神
ここに来たとたんに、みんな似非江戸っ子になって、てやんでぇ、とか言いながら妙に言葉づかいが荒くなりました。
なぜか年末の忙しい時に、新郎が外国人の神前結婚式が行われていました。
見学後、目の前にある蕎麦屋に入って、忙しいサラリーマンを尻目に、やはり熱燗を飲み始めました。
このあたりから、だんだん良い気分になってきた感じです。
ちなみにIM氏が不信な動きをするのもこのあたりから・・・・
■湯島聖堂
水戸の弘道館に行ったときも思いましたが、昔の院生はよほど大変だったのでしょう。
ぜったい怖い先生が多そうな雰囲気です。
台北獅子会（つまりライオンズ・クラブ）寄贈の日本最大の孔子像は、今日も巨大で強気な雰囲気でした。
たぶん原哲夫あたりが孔子を漫画化すると、こういう感じになるんでしょうね。
でも、戦国時代の中国で弟子を引き連れて諸国を放浪したわけですから、相当ハードボイルドの方もいけたんでしょうね。
■不忍池弁財天・五條天神・上野大仏・東照宮・寛永寺
「受付にいたお姉さんも弁財天っぽい」という師匠の言葉が印象的でした。
ご存知のかたはあまりいないと思いますが、上野大仏は「顔だけ」です。
胴体は、関東大震災の時に亡くなってしまったそうです。
そのあまりのグロさは、牛久大仏のバランスの悪さに匹敵します。
■小野照崎神社
我が家が氏子の神社です。
一見、そこらにある小さい神社とかわりはありません。
でも、ここには江戸時代に富士山から運んだ溶岩で作られた富士塚という富士山のミニチュアがあります。
直径１６メートル、高さ５メートルくらいで、毎年６月３１日、７月１日にだけ公開されます。
事前に父を通じて宮司さんに連絡しておいて、特別に上らせてもらいました。
説明をする神主さんも含め、全員が半笑いで登って降りてきたのが楽しかったです。
確かに半笑いするしかないんですよね、ふふふ。
■浅草寺
最後は、やっぱり浅草。
最近、異様なくらいに外国人観光客が増えました。
それにしても、相変わらず伝法院通りに並ぶお店はコンセプトが分かりません。
と、終始にやにやしながら寺社めぐりはおわったわけですが、メインは「どぜう」でした。
食べた事があるのは師匠だけで、私をはじめ、特に留学生のDT氏は嫌がりました。
「どじょうとどぜうは違うんだ」と言いきかせて食べましたが、いやー、美味しかったです。
DT氏の顔に浮かび続けた「日本人っていったい・・・」的な表情が消えることはなかった気がします。
でも、彼女は良い根性してますね。
で、その後は、駅のすぐ傍の普通の飲み屋へ移動。
急遽、YN相談室が開設され、IM氏の恋の行く末をみんなで半笑いで無責任に議論しました。
一番ショックだったのは、師匠の「一回が五回、五回が十回になっちゃうよ。男なんて消耗品だもの・・・」という言葉と、DT氏の「でも、もし、やっちゃったら・・・」という言葉でした。
師匠は常々村上春樹が好きとおっしゃっていましたが、実はドラゴンだったんですね・・・・
DTは、日本語うまくなったね・・・・
というわけで、たとえ彼女に彼氏がいても、そしてそれが既婚者でも、さらにそれが自分が通う大学の教授であっても、IM氏にはハードボイルドでいってもらいたいというのが結論です。
