あめぶんわーるど
昨日からパタパタとキーボードを叩いているのですが、なかなか上手くいきません。
これにかかりっきりになっているために、翻訳も全然進んでいないし・・・・
というわけで、現実逃避のために、以前言及したヴォネガットの『スローターハウス5』を引っ張り出してぱらぱらと眺めていました。
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1986/06/21
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ご存知のように村上春樹の元ネタっていうわけではないですが、まあ、参照元みたいなもので、大変読みやすく、韜晦に富んだ文章が素敵です。
矢作俊彦もヴォネガットのネタを使っていましたね(学友は、あじゃぱんを読みきったのでしょうか・・・・あれを読んでると軽く夏休みは吹っ飛びます)。
なんで一部のアメリカ人はああも傲慢なのに、スティーブン・キングとかヴォネガットとかって、こっちが申し訳なくなるほどに謙虚で自己批判ばっかりしているのでしょう。
ちなみにスローターハウス5は、第二次大戦のドレスデン爆撃(知られていませんが、広島よりも大きな被害でした)を中心に構成されている痙攣的な物語です。
まあ、この雰囲気はほんと読んで頂かないことには仕方ありません。
宇宙人だってでてきます。
基本的には戦争を語れる言葉なんて無い、という地平から書かれています。
でも、だからといって大上段に構えるわけではなくて、日常的な感覚と知性と想像力によって、どこまで戦争体験を伝えられるのか、という実験をしています。
一番好きな戦争小説、オブライエン『カチアートを追跡して』と似た読後感です。
こっちはベトナム戦争が舞台で、戦場からばっくれるようとする、不思議な性格をしたカチアートを、みんなでパリまで追いかけるというお話です。
これはたしか、パリからウィーンまで16時間くらい電車に乗った時に、読んだ記憶があります。
カチアートの逃避行と自分の移動がちょうど逆方向で、カチアートも電車に乗るし、読んでいて不思議な気分になりました。
嗚呼、この調子じゃ、『カチアート』にも『猫のゆりかご』にも手を出してしまいそう・・・・翻訳・・・
- 作者: ティム・オブライエン,Tim O'Brien,生井英考
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