かくれんぼ
というわけで、ダコタ・ファニング&デ・ニーロの“ハイド&シーク”を見ました(以下、ネタばれです)。
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何も知らずに見たのですが、「暗闇のかくれんぼ」という酷い副題を見ただけで、なんとなく「ボブがダコタソをおっかけるんだろな〜」と思っていましたが、案の定その通りでした。
母親の自殺によって娘が想像上の友達チャーリーと危ない遊びをしている娘を、心理学者である父親がいぶかしがって、色々手を尽くすのですが、周りでは次々とおっかない事件がおこります。
で、犯人を問いただすと、娘は「チャーリーがやった」と答えるわけですが、案の定、最後にチャーリーは実はデ・ニーロだと判明します。
「今更、一時期はやった二重人格ものかよ・・・」という小さな嘆息と「たしかにダコタソは可愛いかも・・・」という大きな嘆息以外には、特になにも残りません。
二重人格もの、はやりましたね・・・・たしかあのブームに関しては、トマス・ハリス『羊たちの沈黙』が先鞭をつけたことになっています。
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で、ブームを終わらせたのも、同じくハリスの『ハンニバル』だと言われています。
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原作者のハリスは、沈黙からハンニバルまで、たしか10年以上の沈黙の時期があり、スティーブン・キングがどこかで、「トミーはふだん何をしているのだろうか?アフガン絨毯でも織っているのだろうか?どう考えても暇でしょ・・・」みたいなことを書いていたと思います。
で、このハリスの沈黙の10年間が、二重人格ものの大ブームとなります。
ですが、振り返ってみれば、特にこれといった収穫もなく、あえて言えばこれ以降、犯人は二重人格者というオチをつけられるとなんだかバカにされたような気分になるくらいの帰結しかなかった気もします。
唯一の例外が、原作チャック・パラニューク、監督デヴィッド・フィンチャー、主演ブラッド・ピット&エドワード・ノートンで、レクター博士よりも数万倍は面白い“ファイト・クラブ”だったと思います。
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パラニュークの小説は、崩壊したアーミッシュのような宗教団体の生き残りの信者が、仲間が次々と自殺する中で、また宗教団体を作るというお話を、墜落する飛行機のブラックボックスに語りかけるもので、たしか99章から始まって0章で終わる「サバイバー」といい、危ないニューエイジもどきの団体を作るファイト・クラブといい、宗教社会学者が喜びそうなものが多いですね。
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とりあえずの感想としては、ハイド&シークもファイト・クラブも羊たちの沈黙も、なんだかアメリカの社会関係資本が尽きかけていることを示しているような気がしますが、そんなことを思うのは私だけかもしれません。