と、とり・・・・
というわけで、なんかまた家の前の道を異様な数の人々が歩いていて、「デモでもやってるのだろうか、うるせーなー」と思っていたのですが、どうやら酉の市のようです。
うろうろ見に行くと、夜なのにとんでもない数の人で道が埋まっていて、お巡りさんが沢山いました。
二の酉だけの年と三の酉の年があって、今年は後者(4日、16日、28日)なのですが、やっぱり一の酉が一番重要視されているので恐ろしいまでの人出で、なぜか救急車まで出動していました。
朝顔市と違って、異様に狭いところなので、とにかく密度が高いのです。
酉の市といえば、やっぱり最強の呪具である熊手が売られています(何が最強なのかは知りませんが・・・)。
「めでたい!」なんちゃって下らない駄洒落で、ことあるごとに生首を食卓に乗っけられる鯛も可愛そうですが、「福を掻きこむ!!」なんつって、ほんとにそれに見合う見返りが見込めるかどうかも分からない、すごーくたかーい熊手に、とんでもない大金を蕩尽するあたり、なんとも江戸っ子はマジカルな生き物です。
で、マジカルなわりには、あんまり超自然的存在の属性やらなんやらにはこだわらないようで、酉の市を主催するのは、鷲神社&長國寺という、なんとも言えないシンクレティックでハイブリッドでメティサージュな感じです・・・・う〜ん、呪術の園ですね。
というわけで、案の定、幼少の頃には、買ってもらった熊手で弟をどついて、その結果、親にどつかれるという暗い思い出がありますが、熊手屋さんは、朝顔とかホウズキ屋さんよりも迫力があって昔から好きです。
ちなみに、高い熊手をお買い上げになると、お店の人が総出で三本締めをやってくれて、そこらを歩いている人もそれに加わっちゃったりするのですが、あの叩き方って地方ごとに微妙に異なっているようで、一人だけずれてたりするとお里がばれちゃったりして、大変楽しいですね。
で、色々な人が色々な所から来ているようでしたが、兎に角、子供と老人が多いのにびっくりしました。
他のお祭りならいざしらず、あそこがどこか分かっているのでしょうか。
ニュースなんかだと、「台東区浅草」とか言ってごまかしてますが、近隣住民で特に古い人は、あそこを浅草とは言いません。
誰が見ても、あそこは吉原です。
観光客の方は、日比谷線の駅から市へ向かう道を600mくらい歩いていきます。
いまではすっかり普通の雰囲気になってジャズ・クラブとかピザ屋とかありますが、あの道は、かつては吉原街道と呼ばれていました。
長國寺の方で何を売っているかと言うと、季節のせいかもしれませんが、火除けのお守りです。
こちらは呪具というより、気のせいか、吉原のお姉さんたちの切実な願い、という感じがします。
江戸時代の人も、蝋燭を使って団鬼六のようなことをしていたのでしょうか・・・・