寂聴の家
というわけで、先週から熱が出たりなんだりで体調がすぐれなくて「ちょっと事務室が呼んでるからちょっと来てみてくんない」という親分の呼び出しにもかかわらず、結局行くことができませんでした。
いくら電車ができて便利になったとはいえ、毎回大学へ行くのはなかなかしんどいわけで、ほとんど近隣住民を困らせている龍退治に行くような気分で出かけているわけで、龍退治は週に二回が限度かもしれません。
で、家でなにかまともなことをしようかと思ったのですが、我が家にはあまりまともなものがありませんので、仕方なくチャーリーとチョコレート工場を見ていました。
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ちょっと前の映画だし、すでにご覧になった方も多いかと思いますが、久々に傑作を見ました。
一刻も早くサントラが欲しいです。
たぶんマイケル寂聴の家に呼ばれて言われるがままに見学すると、こんな感じのめくるめく官能の世界にいざなわれるのだろうな、という感じでしょうか。
出てくる役者も、いかにもバートン・ワールドの住人といった感じです。
ウォンカの父親のクリストファー・リーなんかは、ロード・オブ・ザ・リングとかスター・ウォーズとか、最近はろくな作品に出ていませんでしたが、この作品に関してはあたりですね。
チャーリーの母親役は、『ファイト・クラブ』でマーラをやったヘレナ・ボナム=カーターでした。
確かにあの顔立ちはバートン世界ですね・・・・と思っていたら、そういえばバートンと結婚していましたね。
彼女の祖父だかなんだかが、イギリスの首相とは誰も思いもしません・・・・・たぶんこの先、本当にあの奇妙な世界の住人として生きてゆくのでせう、大変素敵です。
ティム・バートンは、良くも悪くも、自分でその生涯を映画化した「史上最低の映画監督」エド・ウッドの域に近づきつつあります。
彼自身、「おれはエド・ウッドだ」と言っているし、確信犯なんでしょう(ちなみに、ウッド役はジョニー・デップ)。
ウッドの作品を一つでも見たことがある方は、本当に史上最低だと思うでしょう。
「死霊の盆踊り」だけみたことがありますが、確かに酷いです。
「最低」という言葉は、もうちょっとマシな何かに対して用いるのではないかと思うくらいでした。
本当はもう一本借りてあったのですが、あまりの衝撃にそちらは見ないで返しました。
とはいえ、バートンがウッドの真髄を抜き出したのであろう彼の生涯は、たいへん魅力的なものに見えました。
金もないし、アル中になるし、友達も金ないし、アル中だし、映画の才能ないし、資金力もないし・・・・あるのは、女装癖だけです。
不幸と最低を自ら積極的に選んで生きているようにしか見えません。
なにしろ戦争に行っているのですが、その時最も怖かったのは、怪我をして服を脱がされて、女物の下着をつけているのがばれることだったそうです。
そんなわけで、バートンが女装に興味があるかどうかは知りたくもありませんが、見ても見なくても後悔する映画だと思いますので、未見の方は是非どうぞ。
とりあえず、ロイ・ディープの顔は忘れられなくなります。