しょうしんタソ

というわけで、何度計画を立てても、その都度なにかしら問題が生じてなかなか行くことのできなかった、金沢文庫の「霊験仏−鎌倉人の信仰世界−」展に行ってまいりました。

朝、品川で親分と7氏と待ち合わせて、なんとか急行という、やたらと「普通」以上の速さの電車が細かく階層化されていて、結局どれが一番早いのかなかなか分からない電車で行ってきました。

全く知らなかったのですが、霊験仏というのは非常に面白いジャンルでした。

いくつかのものは生身譚を持っています。

和田合戦で代わりに闘って矢にあたってくれたという傭兵のような仏様とか、「クーデタがあるから明日は鶴岡八幡宮について行くのはやめて、家にいたほうがいいよ」とか教えてくれるスパイのような仏様がいらっしゃったりします。

で、その像は、法身仏とは対照的に、できるだけ人間らしく作ってあります。

多くのものは清涼寺式という様式で、手には皺があったり、爪があったり、歯が作られていたり、目には水晶がはめ込まれていたり、中には布かなんかで作った五臓六腑が詰まっているものもあるそうです。

もちろん口をかっぴらくわけにも、腹を覗くこともできないので、あるのかどうかは分からないのですが、その造形からして、普段見ているものとはなんか雰囲気が違うことは分かりました。

なんせ物を知らないし、喚起力みたいなやつを感じる感性も欠落しているようで、これまで色々なところで色々な仏像・神像・聖人像を見てきました。

だいたいは「で、でかい・・・・」とか「ち、ちいさい・・・・」とか「ジョジョ立ちしてる・・・・」とか、しょうもない感想しかない場合が多くて、そういうことに詳しい親分やら先輩後輩諸氏から可哀相な子を見るような目で見られてきました。

ですが、今日は最初から最後まで楽しく拝見いたしました。

特に、裸で突っ立っているメタボリックなお兄さんがいるので何かと思ったら、本来は、リアリティの追求のために、服は布で作ったものを着せていたとのことでした。


・・・・で、普通ならば解散ということになるはずですが、そうは行きませんでした。

博物館に入るまえから予感はしていたのですが、金沢文庫の裏には、「裏山」と呼ぶには大きすぎる山がありました。

案の定、「せっかくだし、ちょっと歩いてみる?」という表面上は質問の形をとった実質的な御宣託があって、それから小一時間、「ここは横浜のはずだけど、これ、ただの登山道じゃねーか」みたいなアップダウンの激しい道を歩いて参りました。

わりと大変でしたが、一番高いところからは八景島も見渡せて、とても綺麗でした。

麓に下りてくる途中では、良く分からない雰囲気のおじさま・おばさまの集団がいらっしゃって、道にはえている正体不明の物体を指差して、「このキノコ食べられそうね!?」、「私が判定してあげるわ!!・・・・・あっ、これはダメなやつだわ!!!食べられるキノコってのは、このへんのヒダヒダがね・・・」とか大騒ぎしていました。

たまにYAHOOかなんかで、「キノコ拾い食いしてゴーゴー・ヘブン」みたいな信じ難いニュースがありますが、てっきりネタだと思っていたのですが、あれって実話だったのですね・・・・

というわけで、明日は楽しいシンポジウムですね。。。