ご、ごぼう・・・・

というわけで、先日、家の近辺をうろうろしていて、「そういえば夕食がなかったな〜」と思い、生まれて初めて一人でモスバーガーに入りました。

たぶん中学生の時に友達と3,4回は入ったことがありますが、一人で入るのは初めてでした。

こういう所に一人で入るのは、とても苦手です。

あのしょうもない感じの空間で、一人で訳の分からんハンバーガーを食べると思うと、なんだかぞっとしてしまうのです。

たぶん微熱があったせいで、こんな血迷った行動をとったのだと思います。

いったい何をどうやって頼んで良いのか分かりません。

マクドナルドなら、なんとかセットみたいのがあって、非常に簡単です。

でも、モスには、この何とかセットみたいのがないようです。


モスが好きでないのは、この曖昧なところです。

誰が見たってファストフードなのに、なんか出来るのに時間がかかるし、健康なんだか不健康なんだか分からないメニューだし。

しかし、モスの自己認識としては「レストラン」のようなのです。

こういう意味不明な中間的な身振りをする人やものが、昔から苦手です。

「境界にあるものを抑圧することでカテゴリーは機能する」みたいなことを、旧約聖書を例に取りながらメアリ・ダグラスだか誰かが論じていましたが、まったく同意します。

あの先生やこの先生が、渋谷でのシンポジウムの後の飲み会で、「こうなったとしても、朝、顔を洗う時に、一緒に頭を洗ってしまうことはないのだよ」と意気投合されていらっしゃいましたが、ことほど左様に境界は重要です(非常に分かりにくい文章ですが、気になさらないで下さい)。

やっぱり、どうせジャンクを食べるなら、いかにも体に悪そうなマックが好きです。

ナチュラル・ローソンなんか、名前見ただけで駄目です。

関西に良くあるような、田舎のお洒落な喫茶店なんかは絶対に嫌です。

チェーンで言ったら、スタバが一番駄目で、ドトールとか珈琲館が好きです。奢覇都館はもっと好きです。

田舎に行ったら、絶対にドライブスルーのスタバなんか行かないで、寂れた商店街にある純喫茶を選びます。

お洒落さんのお店のメニューは、総じて、なんだか要領を得ないものが多い気がします。

たぶん文化的差異とか記号でお金を稼ごうとしているからでしょう。

ですが、そういう商売は、都会で都会人を相手にやらなくては駄目なはずです。

中古車店とパチンコ屋と店舗よりもでかい駐車場のあるコンビニしかないところで、記号の商売は不可能です。

一昨日まで文化大革命をしていたような国で、サマンサタバサとサマンサタバサ・ニューヨークとバイオレット・ハンガーとサマンサベガとサマンサティアラとサマンサシルヴァとサマンサタバサ・デラックスとサマンサタバサ・プチチョイスとエスティニーとサマンサキングズの違いを力説しても、「ところでサマンサって何人?」となってしまうのと同じです。

そんなわけで、良く分からない例ですが、やっぱりなんだか要領を得ないモスのメニューを見て、一秒で後悔し始めたのですが、ここで「やっぱり、いいです」とか言って出ようものなら、「院生はハンバーガーも買えねーのかよ!!」と言われてしまうので、必死に探しました。

で、見つけたのが、「モスライスバーガーきんぴら」。

一部学友はご存知ですが、なぜかここ三ヶ月ほど、死ぬほど牛蒡にはまっていて、道を歩いていて八百屋さんなんかに牛蒡が山積みしてあるのを見ると、そのまま齧りつきたくなるほど牛蒡が好きになりました。

そんなわけで、なんでハンバーガーにキンピラが入っているのだろうかと思いつつも、「まあ、いいや」と思いながら、置いてあったR25という中身のないフリーペーパーを読みながら待っていました。

10分くらい経ってできたので、相変わらず待つなーと思いましたが、早速家に帰って開けてみて驚愕しました。

・・・単に、きんぴらをご飯で挟んだだけじゃねーか、ただのおにぎりじゃねーか。

このやり場のない怒りと悲しみを昇華させようと、モスのHPをみたのですが、たしかに「きんぴらをご飯で挟んだだけです」ということしか書いていないので、文句のつけようがありません。

なんとなく、この「ライス用のり」という言葉遣いに無性にムカつきますが、まあ、仕方ありませんね。

そんなわけで、やっぱりこういうところは自分には向いていないのだと思いました。

やっぱり単純な私には、単純な店が一番です。。。