帝都蹂躪
というわけで、今週は一日おきくらいに車で走り回っていたのですが、そのたびに交通規制のお知らせが気になりました。
犯人は「東京マラソン2007」。
「アジア最大規模(参加者3万人)を目指すマラソン大会」だそうです。
許せないのは、「東京都新宿区の東京都庁舎をスタートし、飯田橋、皇居、日比谷を通り、品川、銀座、日本橋、浅草寺雷門前などで折り返し、築地、有明の東京ビッグサイトがゴール」というふざけたコース。
プロがやれば、たぶん最初から最後まで3時間くらいで終わります。
だいたい、どうせ埋立地いくんだから、台場のなんとかテレビの間抜けなビルの周りでも20周くらいしてればいいのに。
このマラソン「市民参加型」なので、スタートが終わるだけでも30分はかかるそうです。
なぜ、こんな田舎臭いお祭りを、よりによって、この日本のこの東京でやらなくてはならないのでしょうか。
靖国通りだかなんだかは、最大で6時間は封鎖されるそうです。
ホノルルとかニューヨークとか、もっと訳の分からないところがいくらでもあると思います。
こっちは江戸と呼ばれていたときから100万人住んでいる都市です。
ネイティブ・アメリカンだまして24ドルで買い取ったような下品な土地とはわけが違います。
しかも、この市民参加型という命名の胡散臭さは、なんなのでしょうか。
自転車より早く2時間はしり続けられるような人々が、その速さを競うならまだしも。
別にマラソンそのものが駄目とかそんなことをいうつもりはありません。
村上春樹のように、40kmはしることは、それなりにエキサイティングなことなのでしょう。
私は、まったく思いませんが。
でも、そのエキサイティングさのために東京を蹂躙し、帝都の民の生活を踏みにじることは許されません。
どっか野原でも走っていれば良いのに。
「東京都庁舎をスタートし、飯田橋、皇居、日比谷を通り、品川、銀座、日本橋、浅草寺雷門前などで折り返し、築地、有明の東京ビッグサイト」なんておのぼりさんコースは、はとバスにでも乗ってれば、3時間で回れます。
だいたい、人の家の近所を勝手に折り返し地点にするんじゃない。
折り返さないで、そのまま言問橋を渡って江戸東京博物館まで行って、帝都の民の生活を想起するべきです。
右翼軍国都知事はいったい何をしているのでしょうか?
こんなわけの分からないお祭りのスタート地点にされちゃったんだから、愚痴の一つも言えばいいのに。
首都高は東京のナンバーはただにして、それ以外だけに課金せよ、とかむちゃくちゃなこと言ってたのに。
だいたい、3万人が帝都を走り回ったら、半分暴動じゃないですか。
日本人には全然似合いません。
良く分かりませんが、市民参加型マラソンの起源って、こういう感じだったんじゃないんですか。
なんか「市民」の香りがしますよね。
香港映画みたいな二丁拳銃までいるし。
市民マラソンとは、理性と市民的身体を備えた民衆による王への異議申し立ての象徴のような気がしてきました。
絶対、日本人には似合わないって。
どっちかっていうと、こういう方が好きだもん。
返しちゃってるじゃん、わりとあっさりと。
というわけで、帝都の皆様、明日は窓を開けて「欧米か!!」と半日叫び続けませう。