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というわけで、もしも私に人に言えるような美徳があるとすれば、おそらくは、これただ一つでしょうが、関係ない宴会に出かけて行って、お酒が飲めることでしょう。

数日前、学友から、「なんかパリの南の方の日本人学生寮で新人歓迎パーティーがあるよ、行っちゃう??」と聞いて、さっそく、のこのこ出かけて参りました。

メトロじゃなくて、RERという近郊線と呼ばれる電車に乗ること30分くらいでしょうか。

いわゆるパリとは全然違ったような雰囲気の場所に着きます。

「これでジャスコがあったら246沿いだね」

「あ、これ、大学行くときに乗る電車から見える風景と一緒だ」

とか言いながら、道を渡ると、もうゴールです。

そこには、世界各国が自国の寮を建てた、一大学生寮があります。

別に、その国の人間でなくても入寮できるのですが。。

どれも、少なくとも外面だけは贅をこらしてあって、お洒落なラブホみたいのが沢山たっていました。

で、その中でもとりわけ異様な雰囲気を出しているのが、日本のそれです。

ル・コルビジェ設計ということですが、中途半端な日本風で、もう、何がなんだか分からない勢いです。

どの国の寮もトイレとシャワーは共有らしいですが、外見はどうあれ、日本の寮は「シャワーが男女別」というのが売りだそうです。。。。

赤毛のダニーの魔の手も、ここまでは及ばなかったようですね。

で、宴会では、大學の時の指導教官についている方や、現在の大学出身の方とお会いすることもできて、有意義な時間をすごしました。

そんなこんなで、いらない情報交換も沢山してまいりました。

で、面白かったのは、ほとんどの人は3年くらいでこの寮を出るらしいのですが、「古参兵」あるいは「ぬし」と呼ばれる、なかばこっちに住み着いちゃったような方々です。

そういう人について、色んな人から、ここに書いたらストラスブールまでぶっ飛ばされるような噂を教えて頂きました。

立食パーティーなので、楽しく立ち話をするのが基本スタイルなのですが、ぬしの皆様は、なぜか明かりもついていないような場所に座って、「おまいら、若いな・・・」みたいなオーラを出しまくっていらっしゃいました。

冗談ぬきで、おっかなくて話しかけられません。

で、個人的に面白かったのは、ぬしの皆様が、なぜかみんな同じような傾向の顔と服装スタイルをお持ちであること。。

一言でいうと、あの評論家にそっくりなのです。

どなたかはご想像におまかせ致します。

といって、別にそれが変だとか言っているのではなくて、そろいもそろって同じような感じだったのが面白かったんです。

しかも、別にフランス人のもの真似をしているとかいうのではなくて。

長いことこちらにいると、パリの東洋人大学院生の理念型みたいのを感得して、ある種の落としどころみたいのを悟るのでしょうか。。

そんなわけで、どう考えても無関係なのにすっかり歓迎して頂いて話し込んでしまい、「帰りの電車がなくなる!!」と、デリダとは無関係の字義通りの郵便的不安たち♯にとりつかれて、あわてて撤退いたしました。。

で、今日からはストです。

ためしにメトロに行ってみると、一応開いてはいるのですが、電光掲示板に「開いてるけど、電車は来ないよ(爆」という意味のことが書いてありました。。

年に2回だけしか自宅でゼミをやらない先生についている方は、このストのせいで、すでに一回授業が流れたそうです。

長びきそうなので、登校用に、明日、キックボードかローラー・ブレードを買おうと思うのですが、考えてみたら、キックボード屋さんがありそうな地域までたどり着けないんですよね。。