ま、まずい・・・

というわけで、行ってまいりました、大英帝国。。

それにしても、評判どおりの、高い、寒い、まずいでした。。

決して海原雄山のような残念な父に育てられてはいないのですが、あの食事には本当に耐えられません。

3000円くらい出す程度じゃ、ろくな物が食べられませんでした。

そりゃ、どっかには美味しい店もあるのでしょうけれど、問題なのは平均点でしょう。

ロンドンのレベルも上がってきたなんて言ってるのは、通ぶりたい田舎者か、口腔に深刻な欠陥を抱えているか、あるいは、真性の変態だけではないでしょうか。

細かい情報はカントリーのジェントルメンにでも任せておけば良いのです。

一時滞在者にとっては、適当に入ったお店がどの程度のコスト・パフォーマンスがあるのかが重要でしょう。

ある作家が、「ロンドンは食べるゴミの世界的発信地」とか、「イギリス人は舌の代わりに雑巾がついている」という意味の大変酷いことをおっしゃっていましたが、言い得て妙です。

パリで落ちているものを食べた方が美味しいと思います、誇張じゃなくて。

いつも教会の前で鳩どもが奪い合っているパンの方が美味しそうです。

あそこまでまずいのは芸術ですね。

イギリス、ある意味、芸術立国です。

国民が一体となって取り組まなければ、あの味の維持はできないのではないでしょうか。

たぶん味のコンセルヴァトワールみたいのが湖水地方かどっかの地下室に拷問部屋がありそうな半端な没落貴族の館の中とかにあって、そこでイギリス人のハイチャーチ・メンの味王様みたいな人々が定期的に集まって黒ミサやってからオジー・オズボーン聴きながら大英味会議みたいなやつを開いているんでせうね。

とはいえ、興奮したのは食べ物だけではありません。


というわけで、とりあえず分かりやすくこの辺をうろうろして、

チャーチル氏が反戦運動に取り囲まれているのを見て興奮して、

兄様の論文に出てきたセノタフを見て興奮して、

大英博物館で、やっぱり埴輪に興奮して、

なぜか埴輪の横に展示されていた不器用そうにドスを持った高倉健に大興奮してしまいました。

まさか兵馬俑の上で「日本任侠史上最大の花会せまる!」なんて文句を目にするとは想像だにしませんでした。

埴輪と健さんを見られるなんて。。

それにしても、食事のたびに憂鬱になりました。

一番美味しかったのは歯磨き粉です。

「まずい味が取れる」というのと、「純粋に歯磨き粉の味以上に美味しいものがない」という二重の意味で美味でした。