幻滅指輪

というわけで、ネットをちらちらとみていたら、パリでよく見かけた指輪を使った詐欺の全貌が書いてありました。
しかし、ものすごーく幻滅しました。

散歩とかで、シテ島とかの観光地に近いような場所に行くと、
いきなり指輪をもって近寄ってきて、
「これ、落としたでしょ?」と話しかけてきます。
で、「落としてねーよ」と答えると、
「じゃあ、あげる」とくるわけです。

これまでのジャケットにケチャップつけるとか、メトロで囲むとか、睡眠薬とか、
そういう伝統的おいはぎ系統とは何か違うのかなと思わせるわくわくする出だしです。
少しは練られているような雰囲気を感じたわけです。
一度、ストでメトロが止まっている時かなんかにも、
学友とルーブル前をぶつぶつ文句を言いながら歩いていたら、
指輪もった婆さんがよってきたわけです。

学友に「you、もらっちゃいなよ、続きが気になるんだよ〜」と勧めたりしたのですが、
やっぱり、どうしても、「もらっときます」の一言が言えませんでした。
というのも、その指輪があまりにごつすぎるんです。
指輪物語の指輪よりも遥かに呪力がありそうなだっせーやつです。
親指にはめても抜けちゃいそうな大きさです。
ふた昔前のボクシングのアジア太平洋チャンピオンでもしないようなやつでした。
どうみたって「東洋人留学生がうっかり落とす」指輪じゃないわけです。

そんなわけで、その時は「あ、それ捨てたの、あげる」と言って終わってしまったわけで結末を知らなかったのです。

で、そのつづきを今日ネットでわくわくしながら読んだのですが、
指輪同様、手口もおそろしく洗練されていませんでした。

なんでも、そこで指輪を受け取ると、
横から別の奴が出てきて、
「おい、こら、それ俺のだ、金出せ」となるだけだそうです。
ふ・・・・・
指輪にGPSでも入っていて追跡されるくらいのことは覚悟したのに。
これこそ超伝統的なおいはぎ系ですね。
もっと騙されたことに気付かないような鮮やかなやつはないのでしょうか。。。

とはいえ、ツーリスト相手だと、あまりコストと人件費をかけてやっても仕方ないのでしょうか。
以前、ある方をご案内した時、一緒にTGVに乗ることになって、
それで発車直前まで私はホームで煙草吸っていたわけです。
しばらくすると、TGVの中からその方のお弟子さんが会心の半笑いで出ていらっしゃいました。

行ってみると、スカーフ事件の100倍くらい強烈なばりばりスカーフ女性と話されているわけです。
「なんだ、移民のイスラームのフィールド調査でも始まったか?」と思ったのですが、
話を聞くと、その女性は自称「障害者の自立支援組織」の人だそうです。
で、「寄付を集めている」と・・・・
普通、「発車寸前のTGVの中で寄付集め?」とか思うかと存じますが、
既に寄付者名簿にサインされているとのことでした。
「え、寄付者名簿って、この汚いわら半紙??」みたいな紙にしっかりとお名前が書かれておりました。
しかし、そのスカーフの女性も私が出てきたことで若干面倒くさくなったらしく、
というか、これ以上話しているとTGVが出てしまうのでなんとかしてくれよ、みたいな雰囲気になり、
「1ユーロでもいいんです」みたいなことを言い出したので、お支払いただいてかえってもらいました。

そんなわけで、こういうのって勢いなんでしょうね。
5分以上長引いたら、もう、コストに見合わないんでしょうね。

ところで、ルーブルとかオルセーの横でバケツに水の入ったペットボトル売ってる人は、
警察みるとなんで逃げるのでしょうか?

いや、もう見るから疾しそうなお兄ちゃんたちであることは分かりますが、具体的にはどういう理由で逃げるのでしょうか。

路上での販売が無許可なのか、売ってる水が水道水だったりセーヌ河から汲んできたやつだったりするのか、これも気になるポイントです。
上記二つに加えて「滞在許可証なし」の3つの合わせ技だと推察しているのですが・・・・