GUNS OF THE PATRIOTS
というわけで、人生最初で最後にしたいアフリカから戻って参りました。
いつまでたっても慣れないパリからさらにトランジットなので、とにかく疲れます。
トランジットも含めると、なんだかんだで30時間近くかかったような気がします。
で、えらく権威的ないかにも途上国な空港に着くと、同じ学会に参加する方々が数十人いらっしゃって、現地のお迎えのバスが来ておりました。
しかし、マイクロバスみたいなもので、どうみても、
でかいスーツケースを抱えてこの人数が乗れるわけはありません。
「なんだよ、修士はラクダでもヒッチハイクすんのかよ、ぺっ」とか悪態をついていると、目の前で衝撃の荷造りが始まりました。
伝わらないんでしょうね、この感じ。
バスはトヨタなのは良いのですが、この積み方はおそらくトヨタも想定外です。
スーツケースって、結構でかいじゃないですか、スキー板を積むのとはわけが違います。
それを数十個、恐ろしく不安定な感じの屋根の上に積むわけです。
皆さんスーツケースの中に大事なものが入っているようで、
「それじゃ落ちるだろう!!」と総ツッコミされていましたが、
運転手のお兄ちゃんが「OK,ノープロブレム」と言って、笑いながら最後に子どもが本気出さなくても引っ張れば切れそうな恐ろしく細い紐を通してくれました。
しかも、紐とバスは結ばれていないので、果たして何の意味があるのかが分かりません。
落ちる時は全部落ちるだけです。
もう少しヘッジしてもらいたいところです。
この時点で帰りたい度90%です。
で、運転は案の定、ハリウッド映画の途上国描写に典型的な暴走運転。
皆様、見えないので、屋根の上の気配を必死に察しようとしておりました。
で、車窓から見えるのはこういう風景です。
マグレブ生まれのカミュにオマージュをささげながら憎い太陽で世界の不条理と絶望感を表現してみたのですが、いかがでせうか。
余計なお世話かと思いますが、最初に想起せしめられたのは、METAL GEAR SOLID4 "GUNS OF THE PATRIOTS"の内戦をやってる場面です。
似てますよね。
こういう建物の中に「穴のようなもの」ではなく、「トイレ(水洗)」があるのかはものすごく疑問です。
メタルギアをやった限りでは、みあたりませんでした。
この時点で、もう帰りたい度99%です。
しかし、着いたのは100%の西欧人向けリゾートの5つ★ホテルでした。
バス・ルームには、こんないまいち意味不明な演出まで。
当初は、血だらけのタオル、しかも良く分からない鳴き声を出す変な動物の血でもついたやつが打ち捨ててあるのかと思ったのですが、花びらでした、良くないですね、先入観。
さらに、ホテルの目の前は地中海とビーチ。
ま、学会をやってる都合上、海水欲な人々に交じって、砂浜でばりばりのスーツを着た方々がたそがれていらっしゃいましたが、それは見ないことにすれば良いでせう。
わかりやすくこういう木が生えています。
初心者向けの素晴らしいアフリカです。
私はアフリカに関してはこれっぽっちも本格派ではないので、喜ばしい限りです。
で、木の横には、完全に人生をもてあましている猫がうようよいるわけです。
一瞬あまりにうれしくて、飛行機が落ちて実は死んでいて天国に来たんじゃないのかと思っておりました。
この後、他の街でもそこらじゅうで猫を見かけましたが、ラクダだけじゃなくて、猫もいたんですね、アフリカ。
フランス語も普通に通じるし。
ま、たまにこういう標識を見て、逃れ難い現実を思い知らせるわけですが、何はともあれ、すべて見ないふりをすれば良いということを初日に悟りました。