赤い壁
というわけで、個人的にエッフェル塔の周辺というのは特段の理由もなく見下していて、まあ、初めてきた人が行く場所だろう的なイメージがあったわけです。
こんな風景なわけです。これは誰だって引くでしょう。
少しはスカイツリーにおける押上あたりの残念な感じをみならって欲しいものです。
もやサマとか見てても、とても公共の電波に耐えうる画ではないところなんかが素晴らしかったです。
行くとしても、ケ・ブランリーに行って呪具を見るとか、そういうのに行くくらいしか用事がないわけです。
しかし、今回は数年前にシャイヨー宮に出来たフランス文化財博物館とやらに行って参りました。
ご覧のように、赤い壁で囲まれた展示ルームに、フランス中の教会のファサードやら教会内部の装飾のコピーが飾りまくってあるわけです。
世界遺産だけど、電車だけだとたどりつけない僻地ヴェズレーのものなんかもあります、というか一番最初がヴェズレーだった気がします。
共和主義者に削り取られた部分なんかも、恐ろしく忠実に再現してあります。
また、カトリックの教会というのは、ゴシックにしろロマネスクにしろ、光が少ないので、内部の装飾の写真を撮るのが大変なわけですが、ここで撮れば一発です。
この小さいおじさんたちなんかは、ディジョンの教会で棺を担いでいた方々なんですが、こうして見て初めてなかなか個性的なおじさんたちだと分かりました。
ま、別に接写したかったわけではないのですが、気にはなっていたわけで、よりまくってしまいました。
こういう偏差値が低そうな鳥なんかもガン見してきました。
ここが良いのは、展示品のクオリティもさることながら、宿命的にすいていることです。
たぶん観光の人たちは本物を見に現地に行くわけで、パリまで来てわざわざレプリカを見るわけではないからです。
その分、日本のレベルでは考えられない狂ったように騒ぎまくる社会科見学的な中坊の軍団(引率の教師は外で煙草吸ってる)がいたりしますが、まあ、ルーブルとオルセーを合法占拠している中国人とアメリカ人に比べれば、たいした数ではありませんし、かわいいもんです。
ちなみに、ここ1階は中世からの教会建築が中心なのですが、2階はいきなり近代で、オペラ座やら未来の住宅になるわけですが、その中に、The近代のエッフェル塔もあるわけです。
ただ、エッフェル塔の設計図やらレプリカの横の窓から、本物が見ているわけで、これだけはさすがにいかがなものかと思いました。
ま、なにはともあれ、壁の赤が大変綺麗で良かったです。