世界一のリア充

というわけで、今更ながらの記事ですが、ウィキペディアを書く人が少なくなっているそうです。

ウィキを支えた無償投稿カルチャーの落日

2009年の春は、インターネットの歴史の一大転換点だったのかもしれない。オンライン百科事典ウィキペディアの勢いに、陰りが見え始めたのだ。

 03年に10万件だった記事数が現在は全言語版合計で1600万件を突破するなど、ウィキペディアは急成長を遂げてきた。

しかし09年春、創設以来おそらく初めてのことが起きた。記事の執筆・事実確認・更新を無償で行うボランティア編集者の人数が大幅に減少したのだ。

 その後も記事の執筆・更新は振るわないままだと、ウィキペディアを運営する非営利団体ウィキメディア財団の広報担当者は認める。状況は「極めて深刻」だという。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2010/09/post-1662.php?page=1

まあ、ウィキペディア、非営利団体だかなんだか知りませんが、いつまでも民衆が愚かだと思いすぎですよね・・・というか、言い方を変えれば、ほとんどの人は、最初は面白くてちょっと触るけどすぐに飽きる、ということですよね。

少し古いですが、この記事の話をネット全般に拡張して分かりやすく書いたのが、すでに去年の本ですが、

中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの』

ですね。

要するに、ネットに書き込んでいるのは非リア充ばかりで、リア充は忙しくてそんなもん触らない、という当たり前のことが繰り返し書いてあります。

当たり前ですが、著者がニュースサイトの管理者だけあって、非常に面白くて説得力があります。

今だに「Web2.0」とか「ネットのつながり」とか言っている人を、特に学会などで見かけると甘酸っぱい気持ちになりますが、まあ、著者の言うとおり、こんなもん、おのぼりさんの広告屋なんかが仕掛けて、おっちょこちょいの評論家とか研究者なんかがひっかかったんでしょうね。

タイトルですが、当初は、バカと暇人に加えて「貧乏人」も入れようかと検討していたそうですが、さすがに真理をつきすぎているようなので削除したんでしょう。

でも、事実でしょうね。
これとは逆に、リア充がネットを利用してますますお金持ちになる過程なんかも触れられています。

オバマ大統領が選挙戦以来ツイッターを使っているとか信じている人もいるようですが、世界一のリア充合衆国大統領がそんなことやるわけないですよね、怖いですね、その想像力のなさが。

上記の記事にもありますが、「誰もが情報を発信できる」「大勢のアマチュアが協力すれば世界を変えられる」なんて学級委員会レベルで現実を考えている人が少なからずいるという事実が大変興味深い記事です。