ヴァニタス、ヴァニタス、ルルルルル〜

というわけで、そろそろ終わってしまうし、せっかく家の近くだし、3日も寝込んでいて出かけたいし、今日は夜までやっているということなので、ベルギー王立美術館展に行って参りました。

ブリュッセルの同美術館にも3回行きましたが、なんせ教養と感性が絶望的にありません。

ウィーン美術史美術館に行っても、アルテ・ピナコテークに行っても、ノイエ・ピナコテークに行っても、ルーブルに行っても、ベルベデーレに行っても、ウフィツィに行っても、ナショナル・ギャラリーに行っても、ここには書けないような素朴で端的な感想しか抱かなかった可哀相な子です。

これでプラドに行って何も思わなかったらどうしようと、今から戦々恐々としているのですが、まあ、それはさておき、思い立ってからチケットを買うまで10分もかからなかったし、昔から絵を見るのが好きなので行ってきました。

今回は、古典油彩から近代油彩までの作品が、集められていましたが、決して数は多くはありませんでした。特に、近代がとってつけたような少なさでした。

マグリットなんかは「光の帝国」だけだったのではないでしょうか。

で、ついでに常設展の松方コレクションも見てきました。

で、今回の個人的な発見は以下の二つ。

まず、シュルレアリスム周辺の絵に対して、今ではそれほど惹かれなくなっていました。

一時期は狂ったように画集を集めたりしていましたが、なんというのでしょうか、なんか子供っぽい気がしてきて、あえて言えば、デルヴォーくらいのが穏当だと思うようになりました。

4年前の滞仏時には、ポンピドゥーでシュルレアリスムの一大回顧展というのをやっていて、それこそ3日と開けずに通いつめていて、ブルトンの部屋の復元なんかを見てゆんゆんきちゃってましたが、あの情熱はどこに行ったのでしょうか。

関係ありませんが、なんでブルトンの部屋に鳥かごが山のようにあったのか、最近拝読したTZ先生の御著書で判明しました・・・そうか、モースか・・・・


次に、ヴァニタス画が好きなことに、あらためて気づきました。

ご存知かと思いますが、ヴァニタス画というのは、「この世の儚さ」みたいのを主題にした絵のことで、転変や非永続性を示唆するようなモチーフが描き込まれています。

たとえば、頭蓋骨、燃え尽きた蝋燭、ガラス器、貝殻、喫煙器具、花、時計なんかです。

で、だいたいどっかに、「今日死ぬのは私で、明日死ぬのは君だ」とかなんとか、縁起の悪いことが書いてあります。

こんな感じです。

いや〜、縁起悪いですね・・・・

より現代的なのはこんな感じです。

もう、どの変が虚しいのか良く分かりませんね。

わりと楽しんでいるんじゃないのって感じですが・・・・

それはともかく、こういうお題みたいのが決まっていて、それをどう料理するのかは画家の技術次第というのを改めて面白く感じました。

「何でも自由にやる」というよりも、「ある制限の中でなんとかやる」という方が面白いと思います。

シュルレアリスムに食傷したのも、この辺に原因があるのかもしれません。

音楽に関しても、ポップスなんかもカバー曲が好きだし、クラシックが豪奢だと感じるのも、演奏者・編曲者の組み合わせで、それこそ無限のリミックスがあることを示唆される時です。

ところで、常設展の最後から二番目には、NS兄貴がかつて研究されていたジャクソン・ポロックがありましたが、あいかわらずポロックしてますね。。。