偉人と偉業
というわけで、偉そうなタイトルですが、一つ前のエントリーでジャンヌ・ダルク、ジャンヌ・ダルクと連呼していたら、自動で出るアマゾンの広告に、子供向けのジャンヌ・ダルクの伝記が表示されて、ついクリックしたら、他にも出てきました、美男美女。
ジャンヌ・ダルク フランスを救ったオルレアンの乙女 (学習漫画 世界の伝記)
- 作者: 高瀬直子,木村尚三郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1995/11/17
- メディア: 単行本
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ジャンヌ・ダルクは、フランスの危機を救った勇敢な少女で、「オルレアンの乙女」と呼ばれて、いまでも国内の尊敬を集めています。一五世紀のはじめ、フランスとイギリスは長い戦争をしていました。
ジャンヌは信心深い農家の娘でしたが、ある日、「国を救え」という神のお告げをきき、それを自分の使命と信じました。そして、つらい戦いに身を投じ、固い意志と勇気でフランスを勝利に導いたのです。
なんだか、つっこみたくなる紹介ですね。本当に「国を救え」みたいな国家意識はあったのか、とか。
「いまでも国内の尊敬」を集めていますが、とりわけ国民戦線ですね。彼らの党大会はジャンヌ・ダルク祭と言います。
それにしても、ジャンヌ氏、白馬なんかに乗せられちゃって、良かったですね。
ナイチンゲール 愛に生きたクリミアの天使 (学習漫画 世界の伝記)
- 作者: よしかわ進,有田幸子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1989/09/20
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で、ナイチンゲール。
副題がすごいですね、「愛に生きたクリミアの天使」って。
彼女は実際はそれほど看護活動はしていないはずです。
むしろ、統計学を導入してイギリスでロビー活動をがんがん行って、それで看護士の地位向上に貢献したと聞いていますが。。
どちらかと言えばエンジェルというより、活動家だったのではと思いますが、いずれにしろ、可愛く描こうとしているのですが、絵が下手ですね。。
ちなみに大人用にはこちらがあります。
Florence Nightingale: Avenging Angel
- 作者: Hugh Small
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すごいですね。
直訳すれば、「フローレンス・ナイチンゲール――復讐の天使」ですね。
さらに意訳すれば、「堕天使フローレンス」でしょうか、違いますね。
で、東西宗教家対決!
- 作者: 森有子,古屋安雄
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- 作者: 荘司としお,永原慶二,木村茂光
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うーん、ジーザスの方がイケメンですね。プログレ・バンドでベースとか弾いてそうです。
でも、このお二方、子供むけの本を作るような「偉人」なんですかね・・・
そして東西宗教家対決第二弾!!
マザー・テレサ 貧しい人のために生涯をささげた聖女 (学習漫画 世界の伝記)
- 作者: 高瀬直子,沖守弘
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- 作者: 堀田あきお,鎌田茂雄
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「貧者救済」VS「とんち」だったら、どう考えても前者の判定勝ちでしょう。
っていうか、「とんち」って「偉業」なのでしょうか。
ただ、マザーがかわいそうなのは、長生きしたせいか、いきなり年寄りで描かれていることですね。
村上春樹が愚痴ってましたが、長生きした作家の肖像は、みんな年くった写真ばかりで、志賀直哉だって子供の時からあんな顔だったわけじゃないだろうみたいなことを言ってましたが、そのとおりですね。
さらに言えば、一休さんの絵、空海氏なんかと比べて、特徴なさすぎでしょう。。
僧の集合表象というかなんというか、“The 僧”みたいな感じがするのですが。。
しかも、肩に乗っけた子供との縮尺を考えると相当でかいですよね。
花の慶次とか、そういうレベルででかいですね。。
- 作者: すがともこ,永原慶二,木村茂光
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個人的には一番タイプですが、だがしかし、「なぞの女王」ってのは偉人なのでしょうか。
今から1750年ほど前、日本にあった邪馬台国の女王卑弥呼は、ふしぎな予知の力で国をおさめました。マンガで学ぼう、女王の生涯。
要するに不思議少女というか、不思議女王じゃねーかと思うのですが。
むしろ、邪馬台国が日本のどこにあったかが知りたいですね。
でも、これ読んで、「私も不思議な予知の力で国を治める政治家になる」とか言い出す子供が出たらどうするのでしょうか。。。
ライト兄弟 人類の夢・飛行機の発明者 (学習漫画 世界の伝記)
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ベーブ・ルース 不滅の大ホームラン王 (学習漫画 世界の伝記)
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ガテン系は、やはりいまいちなデザインですね。。
「はいはい、がんばったもんね」みたいな投げやりな態度が感じられます。。
でも、ウィキペディアによれば、ライト・ブラザーズは、二人とも「「妻と飛行機の両方は養えない」との理由で、生涯独身を通した」そうです。
とんちで名をはせるよりは、宗教的な気もするのですが。。。
で、やっぱり得をしているのが、芸術系ですね。
文人・音楽家は、やっぱ特に美男美女である必要があるのでせう。
クララ・シューマン 愛をつらぬいた女性ピアニスト (学習漫画 世界の伝記)
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ショパン―「ピアノの詩人」とよばれた天才作曲家 学習漫画 世界の伝記
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モーツァルト 神童とよばれた天才作曲家 (学習漫画 世界の伝記)
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マリー・ローランサン 「パリの美神」とよばれた画家 (学習漫画 世界の伝記)
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というわけで、「美」と「天才」と「神」の大安売りですね、芸術系。
しかし、クララのように「愛をつらぬく」ことは偉業なのでしょうか。。
要するに、シューマンと結婚しながらも、ブラームスと不倫していたくらいの認識なのですが。。
なにも子供に教えなくても、と思います。
ローランサンにしても、詳しくは知りませんが、ピカソとかアポリネールとか、モナ・リザ盗難事件とか、結構きな臭いような気もするのですが、どうなのでしょう、「愛は偉大だ」というのが子供たちへのメッセージなのでしょうか。